君が見せてくれた、私の世界

お前の面影

お前を失って、8年目の春が来たよ。
無事、大学を卒業した俺は小児科に勤めていた。


ここに勤めて2年の春。
子どもたちからの評判もそれなりに良く、楽しく笑って過ごせているよ。



「ちあき先生！」


「お、千夜ちゃん。
今日の具合はどう？」


「だいじょーぶ！！」



俺が勤めてる大学病院の小児科は活発な子どもたちが多い。

俺の横を走り去っていく男の子達や、中庭に目を向ければ子ども遊具のところでおままごとをしてる女の子たちもいる。

明るい子達が多い、楽しいところだ。


でも、だからといって幸せばっかりでもない。
病院だから、死と直面することは何度だってある。

自分の患者さんを亡くしてしまったことだって、俺も経験した。