君が見せてくれた、私の世界
「せんせー!
おままごとしよー!」


「先生は、まやの旦那さん役ね!」


「えー!!
りなの恋人役だよー!!」



それでも。

この子達が笑ってくれるかぎり、俺は…幸せでいられると思う。

この病院が、この子達にとって楽しいものであってくれればいい。
想世架みたいな…病院嫌いの子が少しでも減ってくれたら……。



「もー!
先生聞いてるのー!?」


「あー…ごめん!
なんだっけ?」



どっちの恋人役がいいの!と怒る女の子達。
今の子どもは、随分おませさんだ。


俺の白衣にしがみついて、見上げてくる女の子たちの頭を撫でて俺は笑った。



「ごめんね。
先生は、昔から好きな人がいるからふたりの恋人にはなれないんだよ〜。」


「えー!!
先生好きな人いるのー!?」


「どんな人!?」


「先生がずっと昔から好きな人。
可愛い人だよ。」


「きゃー!!
先生ったら〜!!!」



興奮した様子で、手を取り合いながら声を上げる女の子達。


俺は相変わらずお前が好きだよ。
俺自身が、お前以外見たくないんだ。




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