君が見せてくれた、私の世界
「想世架ちゃん、私だって縁寿と同じように思ってるよ。
迷惑?…沢山かければいいじゃない。
誰かが想世架ちゃんに心無いこと言ったら、私がそいつに向けて代わりに言うよ?」


「紗綾ちゃん…。」


「ね、だから行こうよ?
想世架の行きたいところ、私と紗綾と想世架で行こう?」


「……っ…。」



泣いちゃ、ダメなのに。


2人が優しくて温かくて涙が溢れてくる。


顔を手で覆って、涙を拭うけど拭いきれない。


どんどん溢れてきて、嗚咽がもれる。



「想世架ぁ〜…泣かないでよ〜!」


「想世架ちゃんが泣いてるの見てたら、なんだか私も涙が出てきちゃった。」


「紗綾までやめてよー!
つられるじゃん…!」



クラスの子たちから、変な目で見られるかもしれないけど。


私達は泣きながら…笑った。


2人が優しくて、大好きで。


友達っていいなぁ…って、この学校に通えて良かったって…。


心からそう思った。




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