君が見せてくれた、私の世界
これ以上、ママの顔を見たくなくて…夕飯を終えるとすぐに自分の部屋に戻った。



「……どうして…。」



私はただ、みんなと遊びに行きたかっただけなのに…。


せっかく縁寿ちゃんも紗綾ちゃんもああ言ってくれたのに…。



「…っ…ふっ、うう…。」



今日2回目の涙が出てくる。


でも今度は嬉し涙じゃなくて、悔し涙。



こんな身体に生まれたくなかった。


元気な普通の子に生まれたかった。


もっとみんなと遊んだり、街中をショッピングしたりしたい。


…人に、迷惑かけずに生きていきたい。



「あああっ…!」



自分が大嫌い。


こんな身体の自分が…憎い、悔しい。


情けなくて不甲斐なくて…。



「…ひどい顔…。」



顔を上げると、目の前には鏡があって。


涙で顔はぐちゃぐちゃで、髪はぼさぼさになっていて。


目はうさぎみたいに真っ赤になってる。




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