君が見せてくれた、私の世界
「ちーあーきーくーん。」


「なんだよ。」



声をかけられて振り返ると、そこにはさっきまで一緒にいた一翔。


お前も来たのかよ…。



「お前、単位大丈夫なのか?」


「んーギリ。」



単位のことだけは考えて欠席してる俺と、毎年単位ギリギリの一翔。


だから心配したくなくても心配になる。



「そういや、千暁。
今日遊びに行かね?」


「あーいいよ。」


「カラオケ行こーぜ。」


「はいはい。」



特に目立つこともしなければ、面倒臭いことをしない俺の学校生活は。


ほぼ息をしているだけで終わる。


一翔を含めた友達数人とカラオケに行って、日付が回った頃家に帰ると。



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