君が見せてくれた、私の世界
「想世架ちゃん。
学校なら通い直すことだって出来る。
でもそれが出来るのは、身体が良くなってなきゃ。…分かるね?」


「……はい。」



九条先生がいつものように穏やかな声で、私を諭すように言うから。


頷くしか出来ないじゃない。



「だから早く治すように頑張ろう。
頑張って治療して、学校にまた通おう。」


「…頑張ります。」



学校に行きたい。


紗綾ちゃんと縁寿ちゃんと、一緒にお弁当食べたりしたい。


家にも帰りたい。


ママが作る美味しいご飯を食べて、美味しいねってパパとママと笑い合いたい。


一緒にお茶もしたい。


やりたいこと、沢山あるんだから。


どんなに辛くても頑張る。


治らないと言われたけど、治してみせる。



ーー九条先生の回診が終わって、消灯時間も過ぎた頃に。


私は、そう胸に決めた。





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