君が見せてくれた、私の世界
夏休み

やっとの思い

治してみせる、と決めた日から。


私は毎日しっかりご飯を食べて、お薬を飲んで…無理せずにきちんと休んで、治すことに専念していた。


体調の良い日は、縁寿ちゃんたちと一緒に病院のお庭で散歩して日光を浴びたり。


窓を自分から開けて、空気の入れ替えしたりと…何かと気を使った。


それに加え、驚くことに、冷泉くんはあの日から毎日来てくれて…縁寿ちゃんたちが帰った後に2人で話をするのが日課になった。


体調が悪い日は話せなくても、冷泉くんはただ私の傍にいて語りかけてくれた。



ーーそれが甲を制したのか、私は夏休みの最中に退院することが出来た。


縁寿ちゃんたちが退院当日に、大きな花束を持ってきてくれて自分のことみたいに…泣きながら喜んでくれた。



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