君が見せてくれた、私の世界

花火大会

退院してから、数日。


私はママの提案で、花火大会に行くことになった。


パパとママと3人で行く花火大会。


ママが浴衣を着付けてくれて、髪を綺麗にまとめて簪まで挿してくれた。



「そよは色白で可愛いだから、本当になんでも似合うのね。」


「そんなこと…。」



鏡の前に映る私は、いつもとなんだか違う。


白地に淡いピンクや水色の朝顔が咲いていて、赤色の帯にはママが付けてくれたレースのリボンが存在感を表してる。


簪だって、ピンクの桜モチーフでママがまとめてくれた髪に映えていた。



「可愛いねそよ。
聖美も似合ってるよ。」


「やだ、あなたったら…。」



恥ずかそうにパパの肩を叩くママの顔は、赤くなっていて照れてる。


ママの浴衣はパパと同じ色で、模様が違うだけ。


ママが白い牡丹と薔薇で、パパのやつは刺子縞。


同じ生地で作ってもらったみたいで…いつも思うけど、本当に仲良し。



< 75 / 312 >

この作品をシェア

pagetop