君が見せてくれた、私の世界
「想世架…?」


「れ、冷泉くん!」



私だと分かると、冷泉くんはにっこり笑って私の前にしゃがみ込んだ。


冷泉くんの、黒地に金の龍が描かれた浴衣がかっこいい…。


髪色にあってて、それがお祭りの提灯に照らされてて…。


なんて、じーっと見とれていたら。



「あらあら、そよのお友達かしら?」


「こんばんは。
冷泉 千暁っていいます。」


「まぁー!かっこいいわね〜!」


「全然そんなことないっすよ。」



ママに言われて、照れてるのか頭を掻きながら、はにかむ冷泉くん。


…あれ、なんで、こんなにドキドキしてるんだろう…。


体調だって良いはずなのに…。



「そよと仲良くしてくれてありがとう。
これからもよろしくね。」


「はい。
…じゃあ、また学校でな。想世架。」


「う、うん…。」



パパに言われてにっこり笑った冷泉くんに…ばいばい、と手を振りながらも…頭の中にはさっきの疑問。


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