君が見せてくれた、私の世界
「そよ、おいで。」



パパが抱き上げてくれて、私を片腕に乗せてくれた。


いつも抱き上げてもらう時には気がつかなかったけど…パパって思ってた以上に筋肉があったんだ…とびっくり。


それに、パパは身長が高い方だから花火もよく見える。



「よく見える?」


「うん。
パパ疲れたら言ってね、降りるから。」


「大丈夫だよ。
そよは軽いから。」



パパはそう言いながら笑った。


軽くないんだけどな…と思いつつ、パパとママと話していたら花火が打ち上がった。


わぁっ!と周りから声が上がって、気がついたら私も声を上げていた。



「すごい!わぁ!
パパ!見てみて!」


「見てるよ…凄いね…。」



パパ、ちゃんと見てる?


日本の花火は、こんなに凄いんだよ。


それを伝えたくてパパの胸元を握りしめて、ぶんぶん振っていたら。



< 82 / 312 >

この作品をシェア

pagetop