君が見せてくれた、私の世界
「……そう。
そよの気持ちも分かるけどね…。」



パパが帰ってきて、リビングでママと話をする声が聞こえる。


帰ってきて疲れてた私は、リビングのソファでそのまま寝てしまった。


起きるタイミングも失って、結果的に盗み聞きしてる風になっちゃった…。



「ねぇ、あなた。
そよを学校に通わせたのは…間違いだったんじゃないのかしら…。」


「聖美?」


「確かに、学校に通うようになったそよは明るくなったわ。
でも…あんなにわがままを言うような子じゃなかったのよ…?」


「……。」


「九条先生に掴みかかる勢いだったの。
…あんなそよ、初めて見た…。」



そう言うママの声のトーンは、低くて。


なんだか、悲しくなった。




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