クールな御曹司の一途な独占欲
どんなつもりで言っているにせよ、本部長にそう言ってもらえることは光栄なことで、私は微笑みを顔に出して「ありがとうございます」と言った。
本部長は私の顔を見て少し何かを考え始めた。
「・・・キミのプライベートなことを1つ聞きたいんだけど、いいかな?」
「どうぞ。面白いお話になるかは分かりませんが」
「キミは今、恋愛してる?・・・しているとしたら、あまりいい恋愛じゃないだろう」
───っ
フォークを生ハムに刺したまま、私は固まってしまった。
「図星だね。恋人はどんな人?」
「ちょ、ちょっと待ってください、図星じゃないです。恋人なんていませんから」
「でも、いい恋愛をしてこなかった。ていうのは図星なんデショ?」
「っ、」
それは確かに図星だった。
図星も図星、本部長と出会った日のちょうど1ヶ月前に、恋人と別れたばかりだったのだ。