クールな御曹司の一途な独占欲



どんなつもりで言っているにせよ、本部長にそう言ってもらえることは光栄なことで、私は微笑みを顔に出して「ありがとうございます」と言った。

本部長は私の顔を見て少し何かを考え始めた。


「・・・キミのプライベートなことを1つ聞きたいんだけど、いいかな?」

「どうぞ。面白いお話になるかは分かりませんが」

「キミは今、恋愛してる?・・・しているとしたら、あまりいい恋愛じゃないだろう」




───っ

フォークを生ハムに刺したまま、私は固まってしまった。



「図星だね。恋人はどんな人?」

「ちょ、ちょっと待ってください、図星じゃないです。恋人なんていませんから」

「でも、いい恋愛をしてこなかった。ていうのは図星なんデショ?」

「っ、」


それは確かに図星だった。

図星も図星、本部長と出会った日のちょうど1ヶ月前に、恋人と別れたばかりだったのだ。


< 11 / 98 >

この作品をシェア

pagetop