クールな御曹司の一途な独占欲
「こら、そんなに頭を下げたら具合が悪いのに頭痛がしてきちゃうよ。大丈夫だから、顔をあげて」
「本部長・・・」
「辛くなったら言ってね。取りあえず、冷たいお茶をいれるから、キミは座ってて」
怒ったのかと思えばそんなこともなく、私はこれ以上心配をかけても悪いし、大人しくお茶は淹れていただくことにした。
ビジネス以外で、人にお茶を淹れてもらうなんて久しぶりだ。
本部長は申し訳なさそうにちびちびとお茶を飲む私を見て、いつものようにニコニコとしている。
私は、私の具合が悪いものと思って世話を焼いてくれる本部長に少し悪い気がしてきた。
「・・・申し訳ありません、本部長。具合は悪くないんです。少し、考え事をしていただけで」
「どんなこと?」
深く聞かれることを覚悟で正直に話したところを、やはり本部長は間髪入れずに聞いてきた。
本部長のギラリとした瞳が私を覗き込んでくる。