クールな御曹司の一途な独占欲



「当てようか。男のことデショ」


そう言った本部長は少しセクシーに見えた。

彼は椅子ごとこちらへ向けて脚を組み直すと、その膝に手をふたつ重ねて置いていた。



「・・・そうです。仕事中に申し訳ありません。気を引き締めますので」

「いいよ。こういうときはデトックスだと思って、ほら、何があったのか僕に吐き出してごらん」

「本部長・・・」


デトックスのためというよりは、単純に本部長は私の男関連の話を聞きたがっているように思えた。

でも私は正直、牧田さんのメールに仕事中も心を削られていて、偶然にもデトックスをしたい気分だったのだ。

だから本部長に話すことにしたのかもしれない。


「本部長の秘書になる少し前に、恋人と別れました。私から別れを切り出したのでこちらは未練も何もないですが、向こうの方がいつまでも私に執着しているようで少し参ってしまっておりまして」

「今でも連絡がくるの?」

「毎日、異常なほどきています。同棲していた部屋に戻ってくるようにと、何度も」

「・・・ん?彼の方はまだ同棲していた部屋に住んでるっていうこと?」

「・・・ええ」


本部長は「吐き出してごらん」と言っただけあり、かなり真面目に、真剣な顔で話を聞いてくれていた。


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