クールな御曹司の一途な独占欲
「本部長、今日の予定を申し上げます」
「はーい」
やたらとフカフカするソファーに本部長が座り、私はその隣にスケジュール帳を持って立った。
「朝は笹倉物産の三井さんがいらっしゃいますので応接室でご対応願います。お話の内容は、きっと先日の三井さんからのご提案に対する本部長の見解を聞きにいらっしゃいますので、簡単には同意なさらないで下さい。」
「りょーかい」
「それが終われば研究所の見学に行くことになっています。研究所の皆さまへのご挨拶を簡単に考えておきましたのでよろしければご参考に。あと人数分の手土産も用意しておきました」
「ありがとう」
「そのあとホテルのランチを予約してありますので、お食事なさって下さい」
「・・・ん?」
さらりと流して伝えたけれど、やはり本部長はホテルランチのところでポカンとした。
恥ずかしくなって、私は咳払いをしてペコリと頭を下げた。
「今日お誕生日ですよね。おめでとうございます。ささやかですが私からのお祝いです」
「・・・キミって人は、もう、」