クールな御曹司の一途な独占欲



「・・・ときどき、本部長は私のことを本当に好きなんじゃないかってくらい、熱烈なことを仰いますね」


本部長は私をからかっているだけだと思っていた。

今だってそれで間違いないと踏んでいたはずなのに、本部長の真剣な瞳を見ていると「まさか」と思うのだ。


「本当に好きだよ。最初からそう言ってるじゃない。あと何回言えばキミは信じてくれるの?」



私はだんだんとおかしいと思ってきた。

おかしいと思うにつれ、私は焦り、本部長と恋人ごっこを始めたことも、この部屋に連れてきたことも後悔し始めた。

全て本部長の冗談だとしたら、それにしたら本部長の行動は常軌を逸していると思う。

好きでもなんでもないただの女のために、男はここまでするんだろうか、と。


「信じられないんです。男の人は言葉ではいくらでも嘘を言うじゃないですか。口では好きだなんて何とでも言えますよ。本部長だって、」

「・・・じゃあ、何。僕がキミのことをどれほど好きか、行動で示しても良いっていうの?」


そう言われて私は本部長を睨んだ。


「それは言葉よりも信用できません。男の人は心がなくても抱けますから」


ここで抱かれる理由を作ってはいけない。

そうだ本部長の目的は、きっとそれだ。


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