クールな御曹司の一途な独占欲



しかし本部長は引かなかった。

抱いたら信用なんてしない、としっかり意思表示をした私に対して、全く動揺しなかったのだ。

ソファーがギシリと音を立てた。


「じゃあこうする?キミのこと抱かないから、キミは僕のことをどう思っているか、真剣に答えを聞かせてくれないかな。・・・僕はそれが聞ければ満足なんだよ。それ以上は何も望まない」

「本部長・・・」

「キミのこと本当に好きなんだよ」




生活感のあるこの部屋には似合わない王子様のような本部長にそんなことを言われたら、誰でもクラリときてしまうと思う。

私も少し体が硬直してしまった。


「本部長・・・」


本部長は本当に私のことが好きらしい。


散々否定してきたけれど、今こんなにも本気の瞳を向けられて私も自覚せざるを得ない。

でも聞きたいことがたくさんある。

だって私たちは出会ってまだ数ヶ月しか経っていないのに、私のどこにそんな魅力があったのか検討がつかない。

でもさらにそれを聞くのはルール違反だと思った。

だって私は、



「では真剣に答えます。本部長のこと、そういう風には見れません。ですからお付き合いはできません。・・・ごめんなさい」



本部長の気持ちに応えられないから。


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