クールな御曹司の一途な独占欲
本部長は甘い顔をさらにニッコリとさせると、私の手をひとつとって、ギュッと握った。
本部長の手は男らしいけれど、しっとりと熱をもっていた。
「いいんだ。キミがそのとき不要だと感じたものは、僕も無条件で賛成する。さっきみたいにスッパリ言ってくれていいんだよ」
「・・・どうしてですか?」
「僕が一番信用してるのは香坂さんだから」
なぜそんなに私を信用してくれているのかは分からないけれど、冷たかった本部長がこうして手を握ってニッコリと微笑んでくれるようになったことは、素直に嬉しい。
何か裏があるのではとも疑ってしまうけれど、今のところそんな様子もなかった。