クールな御曹司の一途な独占欲
episode6
さて、月曜日の朝が来てしまった。
金曜日の夜の本部長とのことは、完全に記憶に残っている。
バーで飲んだあと、家に来た。
でも完全に残っているはずなのに玄関先で激しくキスをしたところでそれは終わっていて、ついでに朝起きたら私はスーツのままベッドに寝ていた。
衣服に乱れはなく、ベッドも綺麗なままだった。
部屋を見渡しても特に人がいた様子はなくて、私は玄関先のキスの最中に眠ってしまったんだと勘づいた。
(それはあまりにも酷い・・・なんて最低な女なの私・・・)
連休中に謝罪の電話を入れようか迷ったけれど、ついにできなかった。
本部長に「魔性」と言われるほど思わせぶりな言葉を連発したあげく、家にいてと誘って、それで自分だけ寝るなんて・・・
本部長はあのあと一人で電車で帰ったんだろうか。
・・・絶対に怒ってる。
私は早めに出社してまた最高のコーヒーを淹れようと決めていたけれど、いつかと同じように、またちょうど着替えて降りてきた松島さんに捕まった。
「あ、香坂さんおはようございます!」
「おはようございます」