君に恋してると気づくまで
真実
「叶子、ごめん」
とても悲しい顔した優人
初めて見た
「あ、うんイイヨ?」
それから、叶子なんて
ビックリするじゃん
なんて言いたいのにいえない空気
「叶子、話しかけるな!なんてごめん」
何でか、私の涙腺という壁が決壊した
「うーうん。大丈夫。つらかったけど、すごくつらかったけど、意味わかんないし。めっちゃ寂しかった寂しかったんだよ?」
泣きながら話すなんて、伝わらないよ私
「ごめん。ほんとにごめん。本当は話したかった。叶のお菓子食べたかった。叶の笑った顔、不思議と惹かれる叶の話聞きたかった」
ワタシは抱きしめられた
優人に抱きしめられた
ドキドキして
心臓が飛び出そう
頭が爆発しそう
優人だらけになっちゃうよ
「何で、言ったの?」
「…叶子、俺引っ越すんだ」
この一言にワタシは、凍った
カチンコチンにだ
涙もドキドキも引いた
まるで引き潮だ