君に恋してると気づくまで
私は思いっきり大きな声を出した
「優人ーー!!」
おさなじみから彼氏と彼女になって初めての優人
今日も絶好調にかっこいい!
「叶子ーー!」
優人もおっきい声で返してくれた
それから走ってきてくれた
もっと可愛い格好が良かった
車椅子な彼女
涙誘うシチュエーションじゃん!
もっと幸せな感じがいい!
なんてワガママは言わないの
幸せだから
「優人。福井、友達すぐできるけど喧嘩しないんだよ」
「わかってる。言いたいことは言う」
「浮気していいよ?」
「え」
「見たらわかるでしょ。私ね死ぬんだ」
「…小さい頃、良くなる病気って」
「ママに嘘つかれてたの。希望持たすために。優人に話しづらくて今日まで黙っていた叶子です」
「だったら、俺残る」
「んーん。行って。死ぬ彼女見たら優人一生恋しないじゃん絶対、優しいから」
「もう、叶子以外好きにならない」
「ダメ。優人、恋をして。そんなにかっこいいんだから恋をしないと。私には最高の王子様が見つかったの。優人、蓮子おすすめだよ?」
「俺も叶子が最高」
「だけど、そのお姫様はいなくなる。王子様1人だとお城はつぶれるよ?優人好き。だいすき」
「…俺だって叶子がすき」
「うん。じゅうぶんだよ。優人、私を植村叶子を忘れないであなたのナカに奥さんができてもあなたのナカにいさせてあげて」
泣かないと決めたのに
泣いてしまう
「うん。忘れない。叶子も忘れないで。幸せにできなくてごめん」
「幸せだったよ」
「酷いことしてごめん」
「優しかった。だいすきだったよ」
「叶子、出会ってくれて良かった。出会えて良かった」
「私も幸せ者だ」
「またな」
「また!またね」