【完】『龍の倅(せがれ)』

なにぶん。

狭い城下である。

家中が桜田派と山家派に分かれ始めると、もう石垣の修理どころではなくなりはじめており、石に藻がつくほど放置された箇所すらあったほどであった。

そうしたなか。

宇和島に仙台からの早馬が来た。



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