【完】『龍の倅(せがれ)』

そうしたなかでの桜田の残党集めである。

ほとんどは独眼竜の復讐を恐れて尻込みする始末であったが、

「おれがやる」

と手をあげた者があった。

星野孫右衛門という男である。

星野の経歴を見て桜田は驚いた。

かつて後藤又兵衛基次に陣借りし、伊達兵と戦ったというのである。



< 47 / 120 >

この作品をシェア

pagetop