【完】『龍の倅(せがれ)』

こうした派閥のいさかいはいつの世にもあることながら、この場合には狭いだけに激烈であった。

特に。

桜田家は伊達家がまだ米沢に本拠を置く前の頃からの家来である。

それがいわば。

新参の山家清兵衛ごときに出世の座を奪われたことが、ことさら桜田玄蕃の怒りを買ったのは明らかであった。



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