【完】『龍の倅(せがれ)』

早速。

明朝の江戸登城にむけた支度でばたばたとし始めたとき、である。

「仙台からの使者である」

といって、仙台家から江戸詰めの柴田外記がいきなりあらわれたのである。

当然。

屋敷は混乱した。

「かかる折に、火急の用にござるか」

桑折左衛門は訊いた。



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