君を探していた遠くの夏
1、別れと出会い
守ると決めた。
あの時から。
さみしそうに笑う君を見て、
何があっても絶やさない笑顔を見て、
僕は、
本当にどうしようもないくらいに…
助けると決めた。
長年会えない君を。
今どこにいるのかさえ分からなくて
手探りでも、目の前が真っ暗でも
たとえそこに道がなくとも
僕は行く
12時。正午を知らせる鐘がこの小さな町に響き渡る。
「いけない。もう、こんな時間だ!」
目の前の少女が慌てたようにつぶやい
た。
そして屋台のおじさんに、
「3つ、いつものアップルパイください!」
と流暢な英語で言って、受け取るとおつりももらわずに駆け出していった。
少女は真っ白なブラウスにダークレッドのネクタイを合わせ、グレーのプリーツスカートの制服を着ていた。
この地で制服のある学校などあるはずがないのに…。
いや、正確にいえばあるのだったな。
一般人には非公開、その募集規定も謎。マスコミや、その類の話が好きな人にはたまらないような学校が。
しばらくしておじさんを振り返ると、
「おじさん、僕にも1つ下さい。あと、よければさっきの少女のこと、教えてくれませんか?さっきここでアップルパイを買っていった子、ですよ」
突然話しかけて着た僕に、おじさんは表情を硬くしてゆっくりと顔を僕に向けてきた。
「わしにもよく分からん。ただの客だ」
癖なのか、落ち着かないのか、綺麗な青い目をキョロキョロさせながら話す。
あの時から。
さみしそうに笑う君を見て、
何があっても絶やさない笑顔を見て、
僕は、
本当にどうしようもないくらいに…
助けると決めた。
長年会えない君を。
今どこにいるのかさえ分からなくて
手探りでも、目の前が真っ暗でも
たとえそこに道がなくとも
僕は行く
12時。正午を知らせる鐘がこの小さな町に響き渡る。
「いけない。もう、こんな時間だ!」
目の前の少女が慌てたようにつぶやい
た。
そして屋台のおじさんに、
「3つ、いつものアップルパイください!」
と流暢な英語で言って、受け取るとおつりももらわずに駆け出していった。
少女は真っ白なブラウスにダークレッドのネクタイを合わせ、グレーのプリーツスカートの制服を着ていた。
この地で制服のある学校などあるはずがないのに…。
いや、正確にいえばあるのだったな。
一般人には非公開、その募集規定も謎。マスコミや、その類の話が好きな人にはたまらないような学校が。
しばらくしておじさんを振り返ると、
「おじさん、僕にも1つ下さい。あと、よければさっきの少女のこと、教えてくれませんか?さっきここでアップルパイを買っていった子、ですよ」
突然話しかけて着た僕に、おじさんは表情を硬くしてゆっくりと顔を僕に向けてきた。
「わしにもよく分からん。ただの客だ」
癖なのか、落ち着かないのか、綺麗な青い目をキョロキョロさせながら話す。
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