君を探していた遠くの夏
「どうしたんですか、先生。お顔が真っ青です。」

ドアを閉めると、少し落ち着いた表情で江戸川が言った。

「今日は亜音莉の誕生日か。」

ほとんど諦めのような声色だったが。

「でも、先生。偶然です。」

悪いことが起きたのだとしても。
彼女のせいではないと信じてる。

「それで、何があったんですか。」

ぼんやりと立ち尽くしている江戸川を促す。

「未鈴、あのな…」
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