君を探していた遠くの夏
落ち着かないおじさんの様子を面白がるわけじゃないけど、しょうがない。

上の人から自分に伝えられた話だけでは、なんだか物足りないから情報を現地の人から集めたかったんだが…

「よく来るんですか?」

「いや、あの子はそんなに。他の子が来ることだってある」

「へぇ、どこの学校なんでしょう」

おじさんはさすがに僕を睨んだ。

「いい加減にしておくれよ。あの学園はあんまりいい噂は聞かんぞ。全寮制だからか登下校の様子も見たことないし」

そして、話は終わりだとばかりに手を振った。

僕はあきらめて屋台に背を向け、さっきの少女が走り去っていった方を行くことにした。

続く

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