君を探していた遠くの夏
「さて、準備もできたところで本日の主人公をお呼びしましょうか。じゃ、友明行ってきて!」

かわいく飾りつけられた部屋をぐるりと見渡し、満足げにうなずくと、
真由がドアの前に立つ少年に言った。

「あいあいさー!行ってきますっ」
友明はびしっと敬礼をすると、部屋を飛び出して行った。

ドアを閉めて電気を消す。

しばらくすると2人分の足音が廊下に響いた。

ピタリとこの部屋の前で止まる。

「3、2、、1!」

ぱっ

「亜音莉っ、お誕生日おめでとう!」

声とともにみんなで一斉にクラッカーを鳴らす。

「みんな…」

亜音莉が涙ぐんだ。

「ありがとううぅぅ」

毎年やってもらってて、こうなることも分かるのに、それでも嬉しくなる。



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