君を探していた遠くの夏
未鈴もあと2カ月に誕生日を迎えるので楽しみにしている。

真由もあと少しなのだが、彼女はいつも祝う側で、
私は祝われるより祝う方が好きなの、なんてこの前言っていたのを未鈴は記憶している。

しばらくしてみんなでアップルパイを食べたり、紅茶を飲んだり、
おしゃべりに花を咲かせたり…
と楽しい時間を過ごした。

「みんなっ、プレゼントの準備をするよ」

真由の合図で2、3人が立ち上がり、後ろのソファーに並べてあった色とりどりの紙袋や包装紙に包まれたプレゼントを手に亜音莉のそばに駆け寄る。

あぁ、神様。

今年はどうか、

何も起こりませんように…

誰もが思っただろう。

心なしか亜音莉の顔も強張っている。





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