君を探していた遠くの夏
ガチャン

突然響いた無機質な音に、ピクリと亜音莉が肩を揺らした。

怯えたように。

「未鈴、越田 未鈴はいるか」

開かれたドアの前には顔を強張らせた
学級担任・江戸川 六月が立っていた。

よっぽどの緊張事態でない限り、教師が休日に寮に入ってくることはないはずだ。

未鈴は立ち上がり、みんなに会釈をすると、部屋を出ていった。
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