after5はお手っ
ヒロトくんは私に何を求めてるんだろう。
彼の言うように、好きだけど自信がないから男性としては扱わないで欲しいのか?
それとも、これは大学時代から続く懐きたい気持ちの延長であって、もはや身内に抱くような親愛の好きなのか?
もし後者だったとしたら、私には彼の首輪は外せない。
下手なことをして、この手からすり抜けて欲しくない。
正直に打ち明けると、礼美は三回目のため息をついた。
「誰が見てもヒロトがあんたを好きなのはわかるんだから、普通に受け入れればいいのに。犬じゃなくてオオカミになってよ、って押し倒しちゃえば?」
「簡単に言わないでよぅ・・」
「だって簡単なとこでウジウジ悩んでんだもん。ヒロトの方で自信がないって言ってんならアンタがリードすればいいのよ。ご主人様なんでしょ」
「うーん・・」
「ずっと煮え切らない関係で満足できるならいいけどね。でも傍にいるのに時間になったらあっさり帰られるなんて、あたしなら嫌だなー。向こうの自信とか以前に、あたしに魅力ないのかと思っちゃう。夜二人っきりで部屋にいるのに、なんにもしないなんてー」
「・・礼美」
「ん?」
「いじわる」
今度は私がジトッとした目を向けると、礼美はふふっと目を細めて肩を叩いてくる。
わかってるなら行動しろっていう意味だ。