メガネ地味子の隠した事情
そうして走り去ったあと


「なぁ、野島。俺は一ノ瀬に逃げられる程の何かをしただろうか？」

毎度毎度逃げられていて流石にへこたれそうになる。

夏休みに見かけたあの子はよくよく見れば一ノ瀬だったと夏休み明けに学校で見ていて気付いて。
それからは目で追っていくうちに真面目でたまに抜けたところもある可愛い子だって事に気付いたら、もう駄目だった。

一ノ瀬ひかるが好きだ。

何とか仲良くなれないかと話し掛けたりしてやっと普通に話してくれるようになったけれど距離は一向に縮まない。

それでも俺は一ノ瀬が好きだからなんとか付き合えるように距離を縮めていくしかない。

しかし逃げられる原因が分からないからどうしようもない。

思わず一ノ瀬と仲の良い野島に聞いてしまった。


「あー･･･、高山くんは何をしたわけじゃないけど。校内で一番人気の男子でしょ？あの子目立つことが好きじゃないから目立つ男子とは関わり減らしたいんじゃないかしらね。高山くん狙いの女子達もなかなか手ごわいし。」


な、まさかの理由。


「そんな･･･。一ノ瀬だって野島や相澤と出かけてる時は可愛いんだから目立つタイプなのに･･･」


その呟きに野島が反応した

「え？！高山くん夏休みに見たのがひかるだって分かったの？」

俺が気づいてた事に驚いている野島に

「一ノ瀬は元々可愛いじゃないか。元が良いんだから可愛い服にメイクすればもう目立つこと間違いないだろ？夏休み明けに声を聞いて同一人物だって確信した。」

そう言ったら
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