マーケット部政談





「まあ、いいわ。今日はあんたね。掃き掃除……は無理だろうから、雑巾で床でも磨いてくれるかしら?」



「嫌なこった。誰が人間なんかの指示を受けるか!」



……なんだ、この犬。腹立つ。



「やれば、骨あげるわよ?」



そう言うと、人面犬は雑巾に飛びついた。



「本当だろうな? 本当だろうな?」



「本当よ。」



「いやっほーい!」



人面犬は、喜んで雑巾がけをする。窓も、ついでに伝票整理も、そして、歩き売りも大したものだ。



「意外と使えるわね……。」




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