マーケット部政談





私は慌ててチューバを隠した。



「な、なんですか?」



「キミ、マーケット部の部員だろう? 今、楽器を吹いていたのは、キミか?」



「え? いや、えっと……私じゃないんです。ほら、そこの階段の上にいる立川円です。バカな顔してますでしょう? あれをね、バカ顔なんて言って、夏になったら咲いたりなんかするんですよ。」



「ほお、そうか……。」先生はなぜか納得してくれた。



「で、さっき職員室でその楽器の音が聞こえてきてね。校長先生がその楽器を一目見てみたいとのことなんだ。場合によるとお買い上げになるかもしれないぞ。」



え? こ、校長先生!?




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