マーケット部政談
「円お姉ちゃん! 円お姉ちゃん! お姉ちゃん円!」
「何よ?」
「このチューバ、売れました。」
「売れたってどういうこと?」
私は、さっき先生と話したことをそのまま円お姉ちゃんに話した。
「売れない。売れないよ。」
「どうして?」
「校長先生は、実物を見ていない。音だけ聞いて判断したんでしょ? 校長先生の前でこんな汚いチューバを持って行ったら、怒られるに決まってるでしょ?」
……確かに。
「で、怒った校長先生は、あんたの名前を聞いて、内申点にペケ。それだけじゃなく、こんな汚いものを持ってきたことで、自宅謹慎されて、その後、あれこれいちゃもんつけられて、成績下げられたり、終いには学校を退学させられるんだよ。ははっ、愉快ね。行っておいで。」
……こいつ、私のこと脅しちゃって……。