マーケット部政談





お茶漬けを食べ終え、お風呂に入るとすっかり眠くなってしまった。



円お姉ちゃんからスウェットを借りて、それから円お姉ちゃんのベッドの横に自分で布団を敷いて、横になった。



大学生の人の家では、カーペットの上で座布団を枕にタオルケットを掛けて寝ていた。久しぶりの布団。ああ、布団で眠れるって素晴らしい。



「ねえ、円お姉ちゃん。本当にありがとうね。」



私はベッドの傍でメガネをかけて、スタンドライトの明かりで本を読んでいる円お姉ちゃんに言った。



「礼はいいから、早く寝な。明日は早いわよ?」



「早いって……どういうこと?」



「そういうこと。」



円お姉ちゃんは、本を閉じて、スタンドライトを消して、わずか数秒で寝息を立てた。



相変わらず円お姉ちゃんは、寝るのが早い。



でも、円お姉ちゃんの寝息を聞いていると、より一層安心して、身体の力が抜け、いつの間にか眠っていた。




< 20 / 327 >

この作品をシェア

pagetop