マーケット部政談





「実は、『この絵に不足がある。』って言った人が、描いたんです。」



「……はあ、なるほど。止まり木を描くのをワシは忘れていたのか。それで、それを描いたのは、どんな人だった?」



「確か、70代くらいのおじいさんでした。」



「おじいさん!?」



おじさんは、しばらく考え込み、それから、二度頷いた。



「おそらく、これを描いたのは、ワシの父だ。」




< 210 / 327 >

この作品をシェア

pagetop