マーケット部政談
そうこうしているうちに、円お姉ちゃんが戻ってきた。
「ま、円お姉ちゃん! 大変! 不審者!」
「不審者? ああ、猪狩さんでしょ?」
「猪狩さん?」
「猪狩大五郎さん。あの、インコの宿で、インコを描いたおじさんがいたでしょ? あの人の知り合いの彫刻家なんだって。」
へえー、彫刻家。あ、だから彫刻か。
「インコのおじさんから、連絡があって、宿でのお礼にって猪狩さんの彫ったものをくださるそうよ。」
なるほど、つまり、猪狩さんはあのインコのおじさんに頼まれて、彫刻してくれてるんだ。