マーケット部政談
「『えい!』と突いて出た。ところが、良子先生腕に覚えがあるから、すっと体を交わした。そこにトントントンとのめってくる泥棒の小手にピシッと1本ぶち込んだ。」
「おおー! さすが良子先生。」
「泥棒は日本刀をその場にばったりと落とした。そこに隙ができた。良子先生はすかさず馬乗りになった。」
「おおー! やっちまえ!」
「ところがだ。泥棒は懐に匕首を呑んでいた。それをギラリ引き抜いて、良子先生の胸元にグサッと刺した。」
「うっ……エグイ。」
「胸は急所で心臓がある。良子先生は、その場で虚空を掴んで死んでしまった。泥棒は荷物をどっこいしょ背負い込んで随徳寺だ。」
「はあ、逃げたってことですね?」