マーケット部政談





何事も起こらず4時間目を終え、昼休みになった。



私は円お姉ちゃんに言われた通り、2-3の教室に行った。



「円お姉ちゃんっ!」



教室のドアの前でそう声をかけると、円お姉ちゃんは、赤面しながら私のところに来た。



「あんた、声デカ過ぎ!」



「だって、聞こえないじゃん!」



「なら、せめて学校では、立川さんって苗字で呼んで!」



「だって、円お姉ちゃんは円お姉ちゃんじゃん!」



「あんたのせいで、周りから『円、あんた妹いたの?』って訊かれて、『いないわよ。ほら、見てごらんよ。あんなチビでブスな子ブタみたいな子、私に似てると思う?』なんて誤解を解かなきゃいけないでしょ?」



円お姉ちゃんは私のことをなんだと思ってるんだろう……。




< 25 / 327 >

この作品をシェア

pagetop