マーケット部政談
「で、その妙な子が言っとった、なんとかって従姉の名前は?」
「それが……言うには言ってたんですが、思い出せなくて……。」
「ええよ。ゆっくり、時間をかけて思い出して。まず、名前は長かった? 短かった?」
「えっと……フ・フ・フ・フ・フ・フ・フ……7文字です! 7文字でした!」
「なるほど。それで、その名前には、数字は入っとった?」
「えーっと……フ・フ・フ・フ……入ってませんでした!」
「じゃあ、自然を表す漢字は?」
「えーっと確か……川です! 川が入ってました!」
「7文字で、川が入ってる名前……だいぶ絞れてきたんやない?」
「あ! あと、名前の1文字目は、『た』でした!」
「つまり、『た』なんとか『川』なんとかなんとかってことやね?」
「はい! そうです!」
「……あ! 馬越。私、わかったかもしれん。」
「え? ほ、本当ですか?」
「うん。その証拠に、この風呂敷、私1時間くらい前に見たもん。」