マーケット部政談
「あ、でも機材を壊しちゃった私が悪いんです。だから、気にしないでください。」
そうは言われても、気になっちゃうのが人間だ。
「あの、これ……。」
私は地味子ちゃんに小銭入れを全部差し出した。
「これ、今日の売り上げです。あんまりないかもしれないけど、3日分のお昼ごはん代にはなると思うから、よかったら使って。」
「そ、そんなっ! 貰えませんよ! フリマ部の方ですよね? フリマ部の部長、かなり怖いって噂ですよ?」
「いいんですよ! その部長、私の従姉なんです。怒られ慣れてるし、それに、稼いで来いって言われたら、また明日、中庭で転べばいいんですから。」
「中庭で転っ……ちょっとよくわからないですけど、貰えませんよ、そんな!」
じゃあ、どうやって8万もの借金を返しながらお昼ごはんを食べると言うんだ?
私は小銭入れを地味子ちゃんに投げつけて、走り去った。
「あの! ちょっと! 貰えませんって!」
地味子ちゃんの声を無視して視聴覚室まで走った。