マーケット部政談





「よし! じゃあ、ご褒美に昼食は私が奢っちゃる! あ、でももうお昼休み少ないから、放課後にたっぷり食べさせてあげる! そうだ、あんたピザ好きだったわよね? 鈴村(すずむら)! 宅配ピザを放課後に届けてもらうようにしておいて!」



もう一人の部員だろうか、鈴村と呼ばれた男の人は、電話をかけ始めた。



「じゃあ、さっそく売り上げを出して。あなたの初めての商売の売り上げを。」



「そ、それが……。」



「どうしたの? 早く出しなさい。」



「売り上げ……ないの。」



「売り上げが……ない?」



円お姉ちゃんの顔つきが変わった。



「鈴村、電話切って。あんた、売り上げがないってどういうこと? 落としたの?」



「そうじゃないの。」




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