マーケット部政談
二人で部室まで来て、ドアに手をかけると、鍵は開いていた。
「だ、誰だ!?」
部室から声がして、見るとロッカーの前に桂さんがいた。
「か、桂! キミ、そのロッカーは雀のロッカーだぞ?」
鈴村さんが声を上げると、桂さんが駆け寄ってきて、鈴村さんの口元に手をやった。
「シーッ! 声がでけえ!」
「な、何をやってるんですか? 下着ドロボーですか?」
桂さんは、今度は私の口元に手をやった。
「バカッ! ちげーよ! 誰があんなやつの下着なんか盗むかよ! っていうか、ロッカーに下着なんか入っちゃいねえよ!」
「じゃ、じゃあ、青柳さんのロッカーで何をゴソゴソやってたんですか?」
桂さんは私と鈴村さんの口元に手をやったまま、顎で青柳さんのロッカーを指した。
青柳さんのロッカーを見ると……なんと、大量のマカロンがぎっしり詰まっていた。