マーケット部政談





二人で部室まで来て、ドアに手をかけると、鍵は開いていた。



「だ、誰だ!?」



部室から声がして、見るとロッカーの前に桂さんがいた。



「か、桂! キミ、そのロッカーは雀のロッカーだぞ?」



鈴村さんが声を上げると、桂さんが駆け寄ってきて、鈴村さんの口元に手をやった。



「シーッ! 声がでけえ!」



「な、何をやってるんですか? 下着ドロボーですか?」



桂さんは、今度は私の口元に手をやった。



「バカッ! ちげーよ! 誰があんなやつの下着なんか盗むかよ! っていうか、ロッカーに下着なんか入っちゃいねえよ!」



「じゃ、じゃあ、青柳さんのロッカーで何をゴソゴソやってたんですか?」



桂さんは私と鈴村さんの口元に手をやったまま、顎で青柳さんのロッカーを指した。



青柳さんのロッカーを見ると……なんと、大量のマカロンがぎっしり詰まっていた。




< 59 / 327 >

この作品をシェア

pagetop