マーケット部政談





私たちは、桂さんの指示通り、階段の傍で青柳さんが来るのを待った。



そして、5分後、スキップをしながら青柳さんが部室に入って行った。



そのタイミングで、私たちはドアの前まで抜き足差し足忍び足で近づいた。



「……いいか? ここで雀のやつの悲鳴を堪能するんだ。笑ったり、怒ったり、声出したりするんじゃねーぞ?」



声を潜めて桂さんがそう言い、私と鈴村さんは小さく頷いた。



すると、部室の中からロッカーを開ける音がギィーッと聞こえた。かと思うと、間髪入れずに、青柳さんの悲鳴が聞こえてきた。



「キャーッ!! マ、マ、マママママ、マカロンッッッッッ!!!」




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