ハニー♡トースト


「…やめない。やめません、メイド」


朔弥の表情が驚きに変わる。


私だって、自分の言葉に驚いてる。


「…こんなの初めてだから。家族以外の誰かのそばに、ずっといたいって思ったの、初めてだから。」


今は、信じてもらえなくていい。


でも、私は胸を張って言える。


私をこんな気持ちにできるのは、世界の中であなただけだってこと。


いつか、届いて欲しい。


「私、絶対朔弥様も同じ思いにしてみせますから」


この気持ちを知って欲しい。


信じられないなんて言わせない。


「…ふっ…ほんとお前にはかなわねぇな。そんなにいうなら、させてみろよ」


いつもの朔弥の顔とは少しちがう、ほんの少しだけ寂しそうな表情を残した笑顔。


…いつか。いつか全部、私のものにしたい。


それは、わがまますぎる願いなのでしょうか?

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