ハニー♡トースト
…そして2日後。
「朔弥様、朔弥様!おーきーてーくーだーさーい!!!」
朝。私はいつも通り大好きな人の耳元で叫んでいる。
そう考えると、案外私の仕事は幸せかもしれない…
「わっちょっ…!」
腕を思い切り引っ張られてすぐにバランスが崩れる。
首元に熱い息がかかって、鼓動がはやくなる。
「やっやめてください!」
間一髪で私は朔弥の胸板を押し返す。
「…なんで拒むんだよ」
不満そうな顔で抗議してくる朔弥を私は思い切り睨む。
「こういうことは控えてください!」
気持ちがないのにこんなことをされても、嬉しくない。
「…でも嫌じゃないんだろ?」
朔弥の妖艶な微笑みに既に赤かった私の顔はさらに赤くなる。
「…いじわる」
「照れてんの?かわいい」
なんともない風にいう朔弥を、私は更に睨む。
…その4文字で、どれだけ私の心臓がうるさくなるか知らないくせに。