ハニー♡トースト
「朔弥様…」
「…っ…間に合っ、た…」
背後から、朔弥の匂いがする。落ち着く、私の大好きな匂い。
朔弥の腕が私から離れ、お父さんに一歩近づく。
「…俺は、まだ未熟です。他の人と比べて感情もいくつか欠落しているし、彼女を傷つけてしまうこともあります。…それでも、俺の帰る家にいてほしいと思います。こんな風に思ったのは、日向子が初めてなんです。」
不器用なくせに、朔弥の口から出て来る言葉はいつもまっすぐで。
その横顔は真剣で、どこか優しくて。
だから私はあなたを好きになったんだよ。
「…お父さん。話の続き、するね。…私、大切な人とは離れたくないよ。」