ハニー♡トースト


「…夢か」


また、あの夢をみた。


時計を見ると、朝の6時。


今日は土曜日だから、基本仕事はない。


ただ、再び寝る気にはならなかった。


「あ、お父さんに会いに…って今日はいかないんだった」


私は制服に着替えて、部屋を出る。


一階まで降りて、中庭に入る。


「あれ、ひなちゃん?早いね」


そこにはそう言って笑う悠人さんと、「おはよう」と手をあげる庭師の中野さんがいた。


「おはようございます、なんだが早く目が覚めちゃって」


「今日はお父さんに会いに行くんじゃ?制服…」


「あ、いえ、今日は行かないので。私も手伝います」


「…そっか」


悠人さんは、何も聞いて来なかった。

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